なんてことなかった”ただの壺”
みなさんにとって幸せって何ですか?
何って聞かれてもそんなのたくさんあるし、尚更”ひとつあげてみて”って言われても難しいし、そもそも今”幸せじゃないし”と思う方も少なくともいらっしゃると思います。
何気ない日々の中で、ささやかな気づきや考え方、ちょっとした幸せなこと、などを呟きながらブログを綴ってます。確かに伝わって誰かの気持ちが少しでも【ほんわか】してもらうことができたなら、それでいいと思ってます。一人で悩むことが多かった自分だから、たくさんの事に気づけた。そんなブログです。空いた時間とかで構わないのでいつでも気軽に読んで頂けたら嬉しいです。
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【なんてことのなかった”ただの壺”】
~友情が作った感動の物語~
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ある学生の話
「おい、今日も授業終わったら遊ぼうぜ!!」
5人組の男仲間だ。幼馴染みのメンバーで昔から仲が良かった。
ある日、そのうち一人(K君)が遊ぶことをやめてしまった。
メンバー「あいつ最近感じ悪いな」
その仲間うちでは、印象が悪くなっていた。
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ある日、そのK君が授業終わりでバイトに行っていることを友が知る
メンバー「お前バイトしているだろ?」
K君は今まで黙っていたことを申し訳なさそうに話を始めた。
K君「ごめん、みんなには言ってなかったんだけど・・・。」
K君の父親が倒れて、病院に入院していることがわかった。その治療費が足らないからバイトしていたことをいつものメンバーは知った。
メンバー「いくらいるんだよ」
K君「言えない、ごめん」
メンバー「わかった、無理するなよ」
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ある日K君は、いつものメンバーが遊ばなくなったことに気づく。
「俺のせいで、もしかしてなくなったのかな・・・」
気になってメンバーの一人に聞いてみた。
K君「みんなどうしたの?最近、遊んでないよね。」
メンバーの一人
「みんな忙しいんだよ、別にお前のせいじゃないから、ごめんな、またな」
そう言って、その場を手際よく離れられた。
≪ ある日 ≫
「お前、今日暇か?」
メンバーから電話がかかってきた。今日はバイトもなかったし、時間が空いていた。メンバー全員で、K君の家にくることになった。
メンバー「体調崩してないか?無理してないか?」
K君「うん、大丈夫。今日はわざわざありがとう」
メンバーは袋いっぱいに果物を入れて持ってきてくれた。
父親のこと、家のこと、学校の事、それに昔ばなしなどをして笑いあっていた。気持ちが和むようにきてくれたんだなとK君も十分理解した。
メンバー「あの部屋に置いてある壺って、あれってお前のか」
K君「お父さんのだけど、今はほどんど使っていないよ。大したものじゃないし安物だよ」
確かに、あれはホームセンターか何かでかってきた”なんてことない壺”だった。
メンバー「そっか。あれさ、オークションとかで売ってみれば?あーいうのって、もしかしたら高値で売れるかもしれないじゃん!そしたらお前無理にバイトしなくてもいいじゃんか。試しにっ! ね?」
メンバーがあまりにも強く進めるのでオークションに出してみることにした。だけど元々高いものじゃないし、売れて何千円にしかならないだろう。と思っていた。
帰り際メンバーがコソコソ話をしている。何か親指立てて”オッケイ?”のサインを出していた。
K君「どうしたの?」
メンバー「いや、ごめんごめん、何にもない。そしたらな!」
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後日、オークションに登録して出品してみた。
メンバーにもこんな感じかなと画面を見せ取引状況を確認していた。
500円。。。
K君「やっぱりこんなもんか」
メンバー「そうだな、でも諦めるなよ」
メンバーは笑顔でそういってくれた。
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≪ ある日 ≫
K君が、ふと思い出したかのようにオークションのサイトを見てみる。
自分の目を疑って、何度もみた。
K君「500,000円・・・」
慌てて、そのメンバーに連絡をした。
K君「壺、50万で売れた!!」
メンバー「おぉ!!よかったじゃんか!俺の言った通りだったろ?」
まさかと思ったが、現実だった。
「これで、父親の治療費に十分充てられる。よかった」
K君は入院している父親のもとへ勝手に売った壺のことと、オークションで高値で売れたことも含めて嬉しそうに伝えた。
父親「俺のために、大変な苦労かけたな。ごめんな」
K君「ううん、これで安心して治療受けれるね。また体が良くなったら一緒にご飯食べたりしようね」
その父親は数年後、無事退院して普通の生活に戻ることができた。
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「おい、今日も授業終わったから遊ぼうぜ!!」
またいつものあの頃に、戻ることができた。いつものメンバーに一人女の子が加わっていた。
でも「なんで、その壺そんな高い値段で売れたんだろう・・」と呟く。
側にいた女の子のY子がそれに気づき、こっそり耳元で話す。
Y子「みんな頑張ってバイトしたり、家のいらなくなったものを売ったり一生懸命だったんだよ。だから一時期、みんなで遊ぶのも辞めたんだ」
K君「えっ・・・それって」
Y子「そうだよ。でもみんな、いつも楽しそうだった。いつもK君の事を考えている時。すごいよね!あの時、「ある程度準備できたから、K君の家行ってくるよ」ってみんなで走って出発してたよ。金目のものを見つけるってさ」
Y子「あっ!!ぜーーったい、このこと言ったって言わないでね!私殺されちゃうから(笑)」
K君「・・・(ぐずんっ、ぐずんっ)」
メンバー「何、泣いてんだ? お前ウケるな!(笑)早くこっちこいよ!」
K君「・・何でも・・ない!すぐ行く」
K君はみんなには聞こえない心の声で大きく叫んだ
「ありがとう」
【なんてことのない50万の壺】
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