想い出のパチンコ
みなさんにとって幸せとは何ですか?
何って聞かれてもそんなのたくさんあるし、尚更”ひとつあげてみて”って言われても難しいし、そもそも今”幸せじゃないし”と思う方も少なくともいらっしゃると思います。何気ない日々の中で、ささやかな気づきや考え方、幸せなこと、などを呟きながら。。確かに伝わって誰かの気持ちが少しでも【ほんわか】してもらうことができたなら、それでいいと思ってます。一人で悩むことが多かった自分だから、たくさんの事に気づけた。そんなブログです。空いた時間で構わないのでいつでも気軽に読んで頂けたら嬉しいです
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”サングラスの奇跡” episode2
私の中の重要な出会い
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想い出のパチンコ
ざわめく駅の構内、人通りの多い商店街。いつものように賑わっていた。
桜のように”新台入替”の旗が、ビラビラとなびく。
男「パチンコして帰ろうぜ」
女「うんっ!」
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男「今日も負けたな」
女「負けちゃったね。lきっと次、勝つよ」
若い20代のカップルだったろうか。
いつもそんな感じで、店を出て行った。
別の日、またそのカップルはパチンコ店に入る
同じように帰っていく。ほとんど長居することはなかった。
二人は常連客となっていた。
季節が変わり、少し肌寒くなってきた
相変わらず商店街もいつも通り賑やかだ。
あの時と同じように、パチンコ屋も人の出入りが多かった。
そんな中、ある一人の女性が入店してきた。パチンコ台の前に座りしばらくすると彼女は泣き出していた。しばらくして店を出て行ったが、その時の接客係だった店員は『負けてしまって悔しかったのかな』『今日たまたま嫌なことがあって、涙でてきたのかな』とか思っていた。その店では普通のことだった。
次の日もその女性客は入ってきた。店員も覚えていたのか彼女を気にして見てみると、やはり泣いていた。その女性店員は心配して声をかける。
女性店員・・・「どうかされたんですか?」
彼女・・・「あっ、すみません、大丈夫です」
といって、走って店を出ていってしまった。
女性店員はずっと気になっていて、考えているうちにある一つのことを思い出していた。
そして次の日。彼女は、同じように来店し台の前で、やっぱり泣いている。
女性店員は静かに歩みよって、声をかける
女性店員「あの・・・」
彼女「すみません。すぐ、帰りますので」
と、彼女は席を立とうとする。
女性店員「私、覚えてます。あの時、彼氏さんと一緒にいつもきてくれていましたよね」
彼女「えっ・・・」
女性店員「やっぱり!なぜいつもここにきて、泣いていらっしゃるんですか?」
女性店員は勇気をだして、彼女に聞いた。
彼女「・・ここは、彼氏との大切な思い出の場所なんです。いつも帰りに二人でここによって、いつも決まった台で二人で・・・彼氏は病気でもう・・・」
声が震えて、涙がとまらなくなっていた。
女性店員「そうだったんですね。辛かったでしょう。またいつでも来て下さいね。辛くなったり泣きたくなったら、いつでもいらしてくださいね」
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それから、1週間に1度のペースで数回見えたが、それ以降はお店には全く来なくなっていた。
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ざわめく駅の構内、人通りの多い商店街。いつものように賑わっていた。
「桜が綺麗だね」と人の声。今年も”新台入替”の旗がビラビラとなびいていた。
彼女は、パチンコ屋の前を通り店になびくその”旗”を見てどこか悲しげな顔をしながらお店に入店した。店の中は改装したのか雰囲気が変わっていて、台も新品ばかりになっていた。彼女はいつものようにいつもの台の前に行き座って目の前を見上げる。するとそこには‥。驚いた表情をしたあと、彼女は大声で泣き崩れていた。
店員が静かに歩み寄る。
女性店員「お久しぶりですね、お待ちしておりました」
あの女性店員がそっと側に寄り添ってくれていた。
そう。
【彼女の目の前の1台だけが、古いパチンコ台のままだった】
女性店員は静かに話しかける
「この台は二人の大切な、大切な思い出の台ですよね。お店は雰囲気もパチンコ台も新しくなりましたが、この1台だけはあの頃のままです。”あなたがまた辛くなったら時に”と思ってみんなで話して残すことにしました。ですので、安心して下さいね」
彼女は涙と声を抑えることが出来なかった。
しばらくし‥
彼女「本当にありがとうございました。本当になんて言ったらいいか・・・。」
女性店員「また、お待ちしております」
それから何度か彼女はお店を訪れたが、その1台だけはいつまでも
”あの頃のまま”だった。
パチンコの思い出
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彼が亡くなった後も【二人の思い出】としてそこに残っていることで、彼女の大きな支えとなったと思います。些細な日常、ありふれた風景の中でその女性店員が気づき、【たった一つの決断】はその人の人生を大きく変えることができた。
この決定には、きっと店長にも責任者にも勇気をもって相談したんだと思います。そしてまたこの相談に対して、「よし、やろう」と声をかけた上司もいるはずです。そんな想いの詰まった決断だったと私は思います。
辛く悲しく立ち上がれなくなった人を、寄り添い支え合える力。
特別な力ではなく、誰にでも持ち合わせている力だと
私は思います。
【自分のことのように、人を思いやること】
きっとあなたにも、そういう仕合わせ(幸せ)がやってきますように。
寄り添い声をかけれる”勇気”を
2回目のブログ更新の記事です。
一人の少年とサッカー選手のepisodeです。
選手の【たった一つの心遣い】を綴ってます。